ねむってあそんでよくたべて

内声が多めの脳にデバイス直挿し系ブログ

【ゲーム感想】サイレント・エイジ

The Silent Ageというゲームをクリアした。

いつもはプレイし終えたゲームの感想はツイッターへとざらざら流してしまうのだけど、元はと言えばブログを書いてみたいと思ったきっかけがゲームだったこともあるし、ちょっと試しに書いてみようと思う。

 

サイレント・エイジがどのようなゲームなのかは、こちらを参照。

www.4gamer.net前後編に分かれていて、前半は無料。なかなか面白かったので、後半を240円(2019.5.28.現在)で購入し、併せて4〜5時間でクリア。

 

まず感じたのは、この売り方の上手さ。

小説同人誌のサンプルをどの程度の長さ・ボリュームにするかという問題を思い出した。このゲーム、前編と後編のボリュームが半々か、むしろ前半の方が多かったのでは、と感じた。無料の前半の方が。その上でどうして後半を有料で購入する心理に至ったかというと、この物語がどう決着するのか見たかったからだ。物語全体の半分以上を無料公開する、すると購入してくれるひとがそれで満足してしまうのではないか、という懸念はもっともなものとしてわたしの中にもあった。それが払拭された気持ちですらある。物語がどのような結末を迎えるのか知りたい、と思わせられるためには、サンプルが「さわりだけ」にとどまるのはもしかしたら悪手なのかも。漫画同人誌とはサンプルについての考え方が違ったものであるべきなんだろうな。

 

後半をすぐさま購入したのはもちろん、話のオチが見たいからだけではない。

携帯型タイムマシンを駆使したパズルがまた面白かった。主人公はタイムマシンを使って未来のある時点と座標を移動しないまま時間だけを行き来できる。たとえば、入りたいドアの鍵を手に入れるために、未来の同じ場所から二階へ上がって鍵を手に入れる。二階へ上がる階段は現在の世界では通行不可能なのだが、未来では通ることができる、そのような切り替えの組み合わせが軽妙で、リズムに富んでいて気持ちが良い。

 

ここまで書いたけれども、正直なところもっとも言葉に書いて感想として残しておきたいのは、主人公ジョーという人物と物語の着地点が示唆している、なんともいえない閉塞感である。

ゲーム冒頭、1965という文字が大写しになり、主人公のジョーが船舶の外壁塗装の仕事をしている様子が描かれる。次は1968年。ベトナム戦争が激化する中でソンミ村虐殺事件が起き、アメリカの国内世論がいっきに反戦に傾いた年だ。画面は小銃を肩に整列した兵士たちの姿を描くが、この中の誰がジョーなのかは分からない。1969年。ジョーは"BUFFET all you can eat"と描かれた大きな看板だけを持って雨の街中を歩いている。1971年、彼はトイレの清掃員の仕事に就いている。天井から光の差し込むトイレの壁際に並んだ小便器と水道管は、白い墓標と十字架に見える。

ジョーは知能に軽度の問題を抱えているようだ。言葉によるコミュニケーションや推論などの抽象的な思考が難しい。それが塗装の仕事をしていたころの転落事故に起因するものか(頭を200針も縫った、というモノローグがある)、あるいは戦争によるものなのか、明示はされないが、しかしわたしは後者と考えたい。

転落事故の詳細はモノローグの中ではっきりと語られるが、そこにリハビリや後遺症の描写はない。一方で、オープニングで暗示されるベトナム戦争の影は色濃い。トイレの清掃員をしているジョーの背景に重なるいくつもの墓標は、彼が帰還兵であることを示唆しているのではないか。

また、物語が進む中で「ニクソン大統領」「フーバー長官」「冷戦」「ソヴィエト」という固有名詞がはっきり示される。物語は1972年を現在として始まる。ニクソン大統領が米国民に「ベトナム戦争終結」を宣言したのは、1973年が明けてすぐ、1月29日のことだった。 

 

以下、ネタバレにつき反転。

物語の着地点は2012年。意識を取り戻したジョーは病院のような場所におり、ほかには二人の患者の姿がある。一人は保護室のような部屋でテレビの音に悩まされ無言で苦しんでいる。もう一人はなにか意味のわからない模様や文字を壁一面に書きなぐりながら、ジョーに向かって「連中を信じるな」と繰り返す。

女性医師が告げるには、ジョーやほかのひとたちが何者であるのか、記録はすべて失われてしまっており、ほかの二人は不完全な技術による長いコールドスリープの中で錯乱してしまったのだという。ジョーの記憶している1972年の体験も、現実ではない…そう言い聞かされて、ジョーは2012年の世界へ出て行く。電車に乗り、コールセンターの仕事を得て、生きていく。平凡に。無言のまま。

 

サイレント・エイジ。沈黙の時代、それとも世代か。

アメリカにおいて、1920年代後半から1940年代半ばにかけて生まれた世代を、サイレント・ジェネレーションと呼ぶのだそうだ。このゲームの中で主人公ジョーが1968年に兵士としてベトナム戦争を経験した人物なのだとすれば、1972年現在の彼は20代の半ばから後半かもしれない。

このタイトルをどう訳したものか、まだ考えている。

あけましておめでとうございます

こんにちは初めまして。

ブログをやろうと思っていたんです。思い立ってアカウント取得してから数年経った。

なのでそろそろ何か書こうと。

ゲームの感想とか、読んでる本のこととか、気づいたこととか、考えたこととか。

考えたこと。

その場その場で考えたことを書き留めていく徒然草をつねにツイッターでやっているのですが、140字のブツ切れだと書けないままになることがあるなあと思っていたので、ブログをやりたいなあ。

 

日頃こういう体裁になれていないので、改行のタイミングも分からない。

まだ名前もない。まあいいや。わたしです。

よろしくお願いします。